都内にある私立中学・高校の先生向けの研修を実施しました。
ここ数年、発達障害傾向のある生徒や、診断のついている生徒が急激に増えてきたそうです。
進学校でもあり、これまではそういった生徒はみられなかったため、先生方は対応に追われているとのことでした。
事前のインタビューからお伺いした現場の状況は、かなり深刻なものでした。

勉強が得意な発達障害・グレーゾーンの子どもたち
発達障害やグレーゾーンの子どもの中には、勉強が得意な子どもがたくさんいます。
「勉強はわかりやすく結果が出るから」
「他のことは苦手だけど勉強だけはできる」という子や、
集中力や記憶力の良さを発揮して、それまで全く勉強しなかったのに、スイッチが入ったら一気に追いついた・・という子もいます。
学校に行っていなくも塾は行けていたり、公立中学より少ない人数で対応してもらえることを期待して、私立中学を受験する子どももいます。
私の周りにも、中学受験をして私立に通っている発達障害やグレーゾーンのお子さんがたくさんいます。
ただ、勉強は学年相当やそれ以上にできても、
- 友達と良好な関係が構築できない
- 忘れ物、落とし物が極端に多い
- 集団行動が苦手
- 学校行事に参加しない
- 学校を休みがち
- 身だしなみ、整理整頓などができない
- 授業中に立ち歩く
などなど、発達障害の特性から、学校生活で様々な課題が生じてくることがあります。
教育現場の現実
そんな中、特別支援教育の経験のない先生方が、発達障害の子どもたちへの対応をしています。
先生方は、発達障害やグレーゾーンに関わらず、様々な子どもたちをみてきたプロフェッショナルなので、ある程度であればこれまでの経験からの対応が可能だと思います。
それでも、
- 何度同じ注意をしても繰り返す
- 暴言や暴力など問題行動の悪化
- 一人の生徒に手一杯で、他の生徒への対応が回らない
- 保護者が非協力的
など、一人の先生の力だけではどうしようもないこともあります。
先生が不安定になると、子どもはそれを察知し、ますます問題行動が増えてしまうこともあり、悪循環になってしまいます。
手探りで対応されている先生方も、「本当にこの方法でいいのだろうか?」「もっと他にやり方があるのでは?」など自分の対応に自信が持てるようになることが必要だと感じています。
私たちにできること
今回の研修を通じて、私達にできることはなんだろうと、改めて感じることがたくさんありました。
先生方は、「多くのもの」を求められます。
求められすぎて、それにすべて応えようとして、先生が苦しくならないように、サポートすることができたら嬉しいなと思っています。